旅先で選んだ急須の蓋が欠けてしまった、引っ越しの荷解きで大切なお椀にヒビが入っていた——そんなとき、近くに工房がなくても金継ぎを依頼できないかと考える方は少なくありません。
レストーレでは、全国からの郵送でのご依頼を承っております。ただ、壊れた器を郵送するとなると、「どう梱包すればいいのか分からない」「配送中にさらに傷んでしまわないか心配」という声もよくいただきます。
今回は、割れた器を郵送でお送りいただく際の梱包の考え方について、気をつけていただきたいポイントをまとめました。
割れた破片は、ひとつずつ包むのが基本
郵送での金継ぎのご依頼で、まず意識していただきたいのが梱包の仕方です。割れてしまった器は、できるだけ破片をひとつひとつ分けて包んでいただくことをおすすめしています。
破損した部分をテープで貼り合わせ、できるだけ元の形に近づけた状態で送られる方もいらっしゃいますが、実はこれはあまりおすすめできません。配送中はどうしても振動や揺れが伝わるため、テープで仮止めした破片同士が細かくぶつかり合い、かえって欠けや傷が増えてしまう場合があるためです。
手間に感じられるかもしれませんが、一片ずつやわらかい紙や緩衝材で包み、それぞれが動かないように箱の中に収めていただくほうが、結果として器にやさしい梱包になります。
器の形によって、梱包の工夫を
中が空洞になっている器は、内側にも緩衝材を
ティーポットやお椀、花器のように内側に空間がある器は、外からの思わぬ衝撃に備えて、内部にも柔らかい梱包材を詰めていただくと安心です。中が空のままだと、万が一強い衝撃が加わった際に、内側から新たなヒビが入ってしまうことがあります。
持ち手や注ぎ口など、出っ張りのある器はより厳重に
マグカップの取っ手や、急須の注ぎ口のように、本体から突き出している部分は、配送中にぶつかりやすく、新たな破損が起こりやすい箇所です。出っ張った部分には厚めに緩衝材を巻き、他の部分とぶつからないよう、箱の中でしっかり固定していただくと安心です。
箱と緩衝材選びのポイント
箱は、器や破片がぴったり収まるものよりも、ひとまわり大きめのものを選び、まわりに十分な緩衝材を入れていただくのがおすすめです。箱の中で器が動かないよう、隙間をしっかり埋めていただくことで、配送中の揺れの影響を抑えることができます。
新聞紙やタオルなど、ご自宅にあるものでも十分に緩衝材としてお使いいただけます。ただし、破片同士が直接触れ合わないよう、一つひとつの間に紙を挟むなど、間隔を意識していただけると安心です。
修理箇所と関係のない部品は、できるだけお手元に
急須の注ぎ口が欠けてしまった場合など、「蓋も一緒に送ったほうがいいのでは」と思われる方もいらっしゃいます。けれど、修理する箇所と直接関係のない部品を一緒にお送りいただくと、その部品自体が配送中に傷んでしまわないかという、新たなご心配が増えてしまいます。
修理に関わらない部分は、できるだけお手元で保管しておいていただくほうが安心です。もし、その部品が修理に必要かどうか判断に迷われる場合は、梱包の前にお気軽にお問い合わせください。
まとめ 梱包ひとつで、器への思いやりが伝わります
郵送での金継ぎのご依頼は、梱包の仕方ひとつで、器が工房に届くまでの安心感が大きく変わります。破片はひとつずつ丁寧に包むこと、空洞のある器は内側にも緩衝材を入れること、出っ張りのある部分は厳重に保護すること、そして修理に関係のない部品は無理に同梱しないこと。
どれも難しいことではありませんが、少し気を配っていただくだけで、大切な器をより安全にお届けいただけます。梱包について迷うことがあれば、どうぞ遠慮なくレストーレまでご相談ください。
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